3者間コミュニケーションにおける食事の有無の影響

摘要

食事は日常生活において欠かすことのできない行動の1つであるが、食事の有無でコミュニケーション行動にどのような違いがあるのかについて研究した例は少ない。そこで本研究は、知り合い同士である3者間の食事をしながらのコミュニケーションと、同一環境で同じ3者による食事がない時のコミュニケーションの比較分析を発話·沈黙·摂食動作の観点から行った。分析の結果、食事中は摂食行動を行うために、食事なし場面では見られない長い沈黙が発生することが分かった。また食事中は、共に食事をしている3人の単位時間あたりの発話回数が均等になることが示唆された。食事場面の摂食動作を6種類に分類し発話との関係を分析した結果、発話を開始するタイミングは口に食べ物あるいは飲み物が入っている状態以外でよく見られることも分かった。