薬物血中濃度モニタリング(therapeutic drug monitoring:TDM)は,体液(ほとんどの場合,血液が対象になっている)中の薬物やその代謝物の濃度を測定し,それらの測定値の薬物動態学的な解析によって,患者個々人に薬剤の投与計画を合理的に設定するための手法である.言い換えれば,薬物の血中濃度を治療に最適な濃度域にコントロールし,薬効の個人差を解消しようとする医療技術として,医療現場に定着している.従来,TDMは集積された薬物動態データに基づき,患者集団の一員として患者個々人をみていた.また,相互作用も薬物血中濃度の上昇や低下を現象的に捉えていたにすぎなかった.
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