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高齢者を対象とした残響環境下における音声定常部抑圧処理の評価実験

机译:高齢者を対象とした残響環境下における音声定常部抑圧処理の評価実験

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摘要

残響環境下においては音声の明瞭度が低下し聞き取りが困難になる。 これは先行する音声に付加された残響の尾が後続する音声にかかるoverlap-maskingにより、音声の明瞭度が劣化したためである。 講演やスピーチを聞き取る際、残響は健聴者だけでなく、高齢者や聴覚障害者にとっては更なる問題となる(Fitzgibbons and Gordon-Salant, 1999)。 残響による音声の明瞭度の劣化を防ぐ方法は主に、前処理(pre-processing)と後処理(post-processing)の二つに分類される。 荒井ら(2002, 2001)はoverlap-maskingの影響を軽減するための前処理として、音声の知覚にはそれほど重要でないとされる音声定常部のエネルギを抑圧する定常部抑圧を前処理として使用することにより、残響環境下における音声の明瞭度の改善を示唆している。 また、先行研究(程島ら2003,2004)では防音室内において、原音声にインパルス応答を畳み込んだ音声を提示することで模擬残響環境を実現し、定常部抑圧処理の効果を調査した。健聴者を対象に行った聴取実験の結果、残響時間0.7sから1.2sにおいて音声の明瞭度が有意に改善された。 本研究では高齢者を対象に聴取実験を行い、定常部抑圧により残響時間1.0sと1.3sにおいて音声の明瞭度が有意に改善された。 また被験者のうち、老人性難聴群においては処理による音声の明瞭度の改善は健聴者群に比べて大きいものとなった。
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