低SNRに適した8PSK差動時空間符号

摘要

低SNRのMIMO通信路で時空間符号の性能を評価するパラメータは，ユークリッド距離（行列のフロベニウスノルム）であることが知られている．そこで本研究は，低SNRに有効な送信アンテナ数4本の差動時空間符号をより実用に適したPSKに対して構成し，その性能を検討する．はじめに，今回提案する符号の構成法を示し，その符号のフロベニウスノルムについて考察する．次に，8PSKとQPSK用にそれぞれ2種類のレートの異なる時空間符号を提案し，シミュレーションで性能を評価する．その結果8PSK用の符号が最も優れた性能を持つことが分かった．また提案符号をMIMO-OFDMの周波数空間符号として用いることの可能性を探るため，周波数空間符号の性能を示すクリロフ積距離の対称性についても検討する．