平板状ワンターンコイルで生成される高密度磁束と磁気圧力の計算

摘要

電磁成形法は，アルミニウムや銅など高導電率の金属薄板に高密度磁束を急激に加えて渦電流を誘起させ，生じた電磁力とジュール熱によって成形する技術である．高密度磁束はパルス大電流を成形用コイルに流して生成されるので，コイルは電磁力に耐える機械的強度を持たねばならない．平板状ワンターンコイルは一枚の金属板で作成される平板コイルなので，大きな機械的強度を持ち，より大きなパルス大電流実験を可能にする．また，このコイルは二方向の成分を持つ高い磁束を生成できるので，コイル上面の金属薄板はコイル幅の80％内で同じ大きさの大きな張出し力およびコイル幅の中点から両端への引張り力を受ける．仮定したコイル電流分布から磁束密度とコイル電流の比を計算し，張出し力に等価な磁気圧力などを調べる．