商用電源系のインピーダンスを考慮した照明器具の過渡妨害波評価方法

摘要

本報告では、照明器具に電源を供給する商用電源系の配線等のインピーダンスが、照明器具の電源をONする際に発生する過渡的な妨害波（過渡電流）の波高値に与える影響について検討した。その結果、商用電源系の配線等のインピーダンスにより過渡電流の波高値が変化することが確認された。次に、商用電源系の配線等のインピーダンスの影響を取り除くための特性改善用コンデンサを電源線間に配置した過渡電流測定手法を提案し、その有効性を検証した。その結果、ある容量以上の特性改善用コンデンサを配置することにより、商用電源系の配線等のインピーダンスの影響を取り除いた過渡電流の測定が可能であることが確認された。さらに、最低限必要な特性改善用コンデンサの容量を決定することを最終目的として、LED照明の等価回路を用いた回路シミュレーションによる検討を行った。その結果、LED照明の入力段に設置されるフィルタ回路（X-コンデンサやコモンモードチョークコイル）をモデル化することで、実測値と8％程度の誤差で一致する過渡電流特性が回路シミュレーションにより得られ、特性改善用コンデンサの容量の変化に対する過渡電流の波高値の変動傾向もほぼ一致した。