n次元ユークリッド空間を用いた変調方式

摘要

線形n次元ユークリッド空間では、n＋1点を頂点にし、全頂点が同じ距離になる図形が描ける。これを変調波に取り入れたシンプレックス信号がある。 筆者らは、このシンプレックス信号が、次の2点の特徴を持つことから、次世代通信で検討されているOFDM、CDMA、直交偏波、M以0などに実用的に適用可能であると考えた。 *1シンボルで等距離配置した最適な変調信号を表したものであり、符号化などによる遅延を生じさせないばかりでなく、複数信号の合成による変調信号生成が可能。 *この変調信号は複数の直交信号を用いて生成され、OFDM、CDMAなど直交信号をベースどする伝送方式に容易に適用可能。 さらに、直交信号ならばなんでもよく、物理的に異なる伝送媒体で伝送される信号も直交していれば同様の手法により、生成することが可能。 本文では、最初に線形n次元ユーグリッド空間で等距離をもつ変調信号（シンプレックス信号）の原理と変復調回路の構成について述べる。 続いて、伝送特性について、理論的に検討する。 最後に、計算機シミュレーションにより、実証を行う。