ディジタルコンテンツ時代を切り開いた日本発のMPEG標準化

摘要

映像音響メディアのディジタル化は1985年ごろから急激に始まった．本稿では，代表的なディジタル映像符号化方式であるMPEGに焦点を当て，関連技術とともにその発展を振り返る．標準の開発から実用化にわたる間に，どのように標準化作業が進んできたか，現在の情報機器産業にどのように影響を与えてきたかについて述べる．MPEG標準化活動に携わった日本メンバーの貢献は極めて大きい．この国際的な活動を成功に導いた目標設定の妙と，運営の特徴について紹介する．更に，今後の技術的課題及び方向性について述べる．