オペレーションはどこへ向かうのか－ネットワークから社会基盤への展開

摘要

現在，ネットワーク事業者においては，B2B2Xへのビジネスモデル転換を契機に，サービス事業者毎の多種·多様なニーズに即応可能なネットワーク構築·提供が求められている．サービス事業者のニーズに応える「柔軟かつ低価格なネットワーク」実現に向けては，各種機能のソフトウェア化，ハードウェア／ソフトウェア分離·連携·組合せ等，仮想化技術適用を基本とした研究開発が行われている．特に，仮想化技術により分離された各種部品·機能を従来のネットワークと同等の信頼性を維持したまま連携動作させるネットワークオペレーション技術が重要であると考えられており，早期技術確立に向けた取り組みが積極的に実施されている状況である．また，数年後を見据えた研究開発においては，個々のネットワーク事業者内連携にとどまらず，複数ネットワーク事業者，複数クラウド事業者およびアプリケーション連携を可能とするオペレーション技術実現に向けた検討も行われている．さらに，今後，オペレーションは，ネットワーク領域に閉じた狭義のオペレーション技術から，産業創塊市場活性化等社会基盤を支える技術，人間行動制御，経済連携制御等，これまで適用検討されていなかった領域へと展開されていくと考えられ，オペレーションに関わる研究開発の拡大とともに技術確立に向けた競争激化が予想される．本稿では，オペレーション技術について，ネットワーク事業者視点，サービス事業者視点から整哩を行うとともに，長期的研究開発という観点から，オペレーション技術の展開を含めた将来像について想いを含め展望する．