新潟県柏崎刈羽地点: シリーズ第9回 原子力立地点を歩く―その現状と課題

摘要

東京電力が新潟県柏崎市および刈羽村に立地した柏崎刈羽原子力発電所は，7号機ガ平成9年7月に営業運転を開始したのを最後に建設工事を完了した。 全7基の総出力は821.2万kWと同社の総発電電力量の約14％を占めるとともに．世界最大の原子力発電所としてギネスブックにも登録済み。 昭和44年（1969年）3月の柏崎市議会誘致決議に始まった同発電所の開発は7号機完成までに28年もの歳月を重ねたが，わが国のエネルギー安定供給の一翼を担う一方，地域の過疎解消や活性化に大きく貢献してきた。 しかし平成14年8月以降に明らかとなった同社の一連の不祥事によって原子力に対する社会の信頼を一挙に失ってしまつた。ようやく今年7月2日に同発電所の全号機の運転再開にこぎつけたが，同発電所ではこの長く苦しい試練を教訓に世界長高水準の安全と品質を目指すとともに，地域との共生に向け努力を傾注していくとしている。