本稿では,上りリンク適応アンテナアレーダイバーシチ(CAAAD: Coherent Adaptive Antenna Array Diversity) 受信において,セル間サイトダイバーシチを適用したときの効果を室内実験により評価した.まず,ソフトハンドオーバーモードに入る場合に,ハンドオーバー元基地局の高速送信電力制御(TPC: Transmission Power Control)の目標E{sub}b/I{sub}0 (Signal energy per bit-to-interference power spectrum density ratio)値を所要品質を満たす値よりも増大することにより,ハンドオーバー先基地局の受信アンテナウエイト収束特性を改善する提案し,実験結果より,6アンテナCAAAD受信を行なう2セル環境において各セルに受信電力が希望ユーザより15dB大きい2干渉ユーザが存在する場合に,ハシドオーバー元基地局の目標E{sub}b/I{sub}0を2フレーム区間(=20msec),所要値よりも3dB増大することにより,移動局の送信電力をほとんど増大することなく,ソフトハンドオーバー開始後20msecにおけるハンドオーバー先基地局の受信ウエイトの平均二乗誤差を,従来の所要目標E{sub}b/I{sub}0値を用いる場合に比較して1/2程度に低減できることを示した.また,受信アンテナウエイト収束後において,CAAAD受信を用いる場合,セル間のサイトダイバーシチを行なうことにより,最大ドップラー周波数5Hzの低速フェージング環境において,平均ブロック誤り率10{sup}(-2)を満たす移動局の所要送信電力を1サイトのCAAAD受信に比較して約2.5dB低減できることを示した(移動局と2基地局との平均パスロス差が0dB).
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