地中を覗く－高密度電気探査結果の地質解釈

摘要

地震防災対策、地下水汚染調査．都市の大深度地下空間利用．山岳トンネル据削などで、近年は地下地質情報が量·質ともに求められている．地下地質を詳細に知るには，トレンチ掘削やボーリングが必要であるが．それらの方法で得られる地下地質情報は断片的，部分的で、地下地質の全体像を把握することは難しい．そのためには物理探査法が用いられる．この方法は地表から地下の物理特性を測定して，地下地質を推定するものであるが，地下地質が違っても同じ物性を示す場合が多々あるため，物理探査法の理論から予想される地質とボーリングや露頭観察などとを比較·検討し，多分に経験則も交えて地下地質が解釈される．物理探査法を用いた地質調査は一般に地質調査業務で行われ，物理探査結果の地質解釈過程の詳細が明かにされることは少なく，むしろそれは企業秘密のように扱われている．