干渉キヤンセラを用いたCDMAセルラシステムの上りリンク特性

摘要

本論文では，CDMAセルラ基地局に干渉キヤンセラを用いた場合の効果について論じている．具体的には，パラレル減算型線形干渉キヤンセラを最大2ステージまで考慮し，移動局はソフトハンドオフ（SHO）を伴うマルチセル環境下で送信電力制御を行い，基地局は2ブランチ空間ダイバーシテ受信するものとしている．セルラシステムにおける干渉キャンセルの効果は，上りリンク容量，上り送信電力の低減あるいはセルカバレッジの拡大効果で評価することができる．SHO Lきい値6dBで比較すると，上りセル容最はマルチパス数1のとき1.4倍（1ステージ）／1.45倍（2ステージ），マルチパス数が2のときは1.2倍（1ステージ）／1.3倍（2ステージ）になる.上り送信電力の低減効果で評価すると，マルチパス数1のときは4.8dB（1ステージ）／4.9dB（2ステージ），マルチパス数が2のときは4.3dB（1ステージ及び2ステージ）となる．セルカバレッジ（セル半径）の拡大効果として見ると，マルチパス数1のときおよそ1.33胤マルチパス数2のときはおよそ1.28倍となることが明らかとなった．