テーピング機能をもつ弾性タイツの開発－膝関節動作時における筋負担軽減のためのテーピング方法

摘要

膝関節動作を支援することのできる弾性タイツなどの下衣を開発することを目的に，その基礎資料として，脚部および弾性タイツに2種類のテーピングを行い，「立つ」と「座る」における筋電図を解析することにより，テーピングが活動筋に及ぼす影響と活動筋の負担を軽減させうる効果的なテーピングのあり方を明らかにした．その結果，素足においてもタイツを着用した場合においても，膝蓋骨を中心として大腿部前面から下腿部前面にかけて直線的にテーピング（Sタイプ）を行うことによって，大腿直筋および外側広筋への筋負担を軽減できることがわかった．これらの効果は，「立つ」動作において顕著にみられた．また，素足にテーピングを行った場合に比べてタイツの場合の方がテーピングの効果はやや低減したが，テープの粘着剤による皮膚障害等を考慮すると，Sタイプのテーピング機能をもつタイツを設計することの有用性が明らかになった．本研究の成果は，多様な生活場面における衣料やスポーツ時の衣料として幅広い展開ができるものと考えられる．特に，筋機能低下を来たした高齢者用衣料において有用と考えられる．