ELF電界の局所曝露に伴う生理応答の評価

摘要

ELF電界の生体作用評価およびその作用機序解明を目指して、局所電界曝露の生理的応答を調べるために、ヒト前腕に電界曝露した場合について検討を行った。 これまでの研究により、局所曝露に伴い末梢皮膚温度が変化すること、およびその変化は体毛の有無に影響を受けることが明らかになった。 また、この変化は電界を曝露しない側の手でも検出されることから、電界の作用は中枢性の変化を引き起こすものであることが推察された。そこで、これらの現象の機序解明を目指し、電界曝露に伴う自律神経活動の反映として、手掌部発汗量などについて計測および解析を行った。 その結果、模擬曝露群に比べて電界曝露群で発汗量が抑制されることが見出され、交感神経活動関与を示唆する結果が得られた。