単ーモード光ファイバにおけるファイバヒューズの光パワーしきい値の検討

摘要

光ファィバ内での熱伝導方程式よりファィバヒューズが発生するための光パワーしきい値とファィバパラメータとの関係を導き，これをもとに，フアイバ内に空孔が存在しない単ーモード光フアイバ(SMF)に関して，数値計算により見積もった光パワーしきい値と文献で報告されている実験値との比較を行った．その結果，波長1.064μmで見積もったSMFの光パワーしきい値の計算値は，実験値とよい一致を示し，波長1.467μmと1.55μmで光パワーしきい値とモードフィールド半径の比を計算により見積もると，実験値とほぼ一致した． 更に，高良らによるモデルIを用いて，空孔アシストフアィバ(HAF)にハイパワーが入射された場合の熱伝導解析を行い，HAFでのファィバヒューズ伝搬挙動をシュミレーションした． その結果，空孔の内接円直径とコア径の比が2のHAFでは，波長1.55μmで4Wを入射しても，フアイノくヒューズの発生と伝搬が見られないこと，6W以上では，ハィパワーの吸収によってコア中心温度が増加して，コアに隣接する第ークラッド層の溶融が進行し，固体クラッド層を維持できる強度限界以下までクラッド層の厚さが薄くなってクラッド層破壊され，空気ホール層が消失する現象が起こる可能性のあることを明らかにした．