EDD (Earliest Due Date)コネクション受付制御方式において,最悪リンク遅延を計算するためには,有限個の離散的な時点(チェックポイント)について,ポイントスケジューラビリティ判定と呼ばれる処理が必要となる.従来,この処理が必要なチェックポイントの上限値(チェックポイント上限値)を小さくすることにより,導出時間を低減しようとする方法が提案されている.しかし,この方法では,ネットワーク負荷が一時的に高くなるような場合には,効果がほとんどないという問題点があった.本報告の目的は,従来法を改良することにある.従来法でのチェックポイント上限値は,被覆関数と呼ばれる一次関数の傾きと切片に依存するが,傾きの少しの増加に対して急激に増加し,切片の多少の増加に対してはあまり増加しない.従来法では,被覆関数を導出する際,切片を最小値に固定した上で,傾きを可変にして導出していたが,負荷が一時的に高くなる場合,この傾きがかなり大きくなり,結果的に導出時間が低減できない状況に陥っていた.本報告では,従来法とは逆に,傾きを最小値に固定した上で,切片を可変とすることで高速化を図っている.数値例によれば,負荷が一時的に高くなる場合,改良法の方が格段に高速である.
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