AALタイプ1のSRTS方式における紛失RTS値の補完法

摘要

ATM網を介してSTM信号を伝達するメカニズムとして，AALタイプ1がITU-T勧告I.363.1に定義されている．AALタイプ1にはSTM信号の周波数を伝達する手段としてSRTS方式が用意されている．本論文では，SRTS方式についてATM網における伝達の途中でセル損等により周波数を再現する情報が紛失したときに，受信側で再現されるSTM信号の周波数に位相跳躍を引き起こさない適切な制御法を提案する．提案方法は，伝達信号の公称周波数より定まる周波数再現情報にかかわる分数の連分数展開による近似分数に基づいて，紛失情報を補完するものであり，精度が優れるうえに容易に実現できるところに特徴を有する．更に，提案方法の性能及び設計法について述べる．