マイクロ波磁場による垂直媒体の保磁力低減効果

摘要

最近、1平方インチあたり1テラビット（1 Tbpsi）を超える面密度を目指してマイクロ波アシスト記録（MAMR）技術が精力的に研究されている。MAMRとは、マイクロ波磁場により強磁性共鳴を誘引し、スピン系を励起することによって磁化反転磁場を低減させる方法である。グラニュラー垂直媒体へのMAMR実用化には、結晶粒間の磁気双極子相互作用がマイクロ波磁場による動的磁化反転過程にどのような影響を及ぼすかを理解することが不可欠である。そこで、垂直媒体の磁化反転磁場のマイクロ波磁場強度依存性を測定することにより、動的磁化過程の周波数依存性を詳しく調べた。その結果、マイクロ波磁場の周波数が媒体の共鳴周波数に近づくにつれて、一様磁化回転型に近い磁化反転過程を示すことがわかった。