既約接続行列に基づく回路方程式の一デスクリプタシステム表現

摘要

回路の既約接続行列と素子特性を基に，回路方程式をデスクリプタシステム表現に定式化する一方法を述べている．本方法では，回路素子の電圧または電流のどちらか一方をデスクリプタシステム表現の変数にしている．したがって，方程式数は全素子数に等しい．各素子の電圧または電流のどちらを変数にするかは，デスクリプタシステム表現での微分方程式の数が最小になるように決められる．このとき，既約接続行列の一般化QR分解が用いられる．本方法のデスクリプタシステム表現から容易に最小変数の状態方程式が得られるので，本方法は，回路の一状態変数解析法である．回路方程式の微分方程式数が最小であるので，効率の良い過渡解析が期待できる．