3次元腹部X線CT像からの局所濃淡構造解析を用いた血管領域およびリンパ節抽出手法の検討

摘要

大腸がんの外科手術において，主な転移経路である腫大リンパ節の把握，および関与血管の同定は適切な切除範囲の決定のために重要である．リンパ節および血管領域の抽出手法として，本稿ではリンパ節を塊状構造，血管領域を線状構造と仮定し，CT像上の各画素における局所的な濃淡構造の推定·分類に基づく方法を開発した．腹部CT像3例に対する実験の結果，腫大リンパ節の約74％を抽出可能であり，同時に血管領域を良好に抽出できることを確認した．