超高精細FED用微小電子源の電子光学特性

摘要

我々研究グループは半導体加工技術により電子源と電子光学系を同一基板内に作製したマイクロサイズの電子線筐筒（マイクロカラム）の実現を目標としている．高精細なクロスオーバー形成が可能となれば，高密度に集積化されたマルチビームが実現可能となり，超高精細なフィールドエミッションディスプレイへの応用が期待される．これまでに，引き出し電極以外に4極から構成されるマイクロカラムの試作を行い，その収束特性の評価を行った．この結果，1mmの作動距離おいて40μm径のクロスオーバー形成に成功している．電子軌道計算により，1μm以下のスポット径縮小を検討した結果，マイクロサイズ電子線筐筒の電子銃には，加速電圧10V程度で300mm 以下の平行ビームを形成する事が要求される事が明らかとなった．この仕様を実現する為に，引き出し電極，収束電極，くびれ電極の3極から構成される電子銃を提案，さらにより収束特性の優れた加速型静電レンズを搭載したマイクロカラムの設計及び作製·評価した結果について報告する．