無線アドホックネットワーク端末間同期のための集中制御ノード位置がアプリケーションレベルQoSに及ぼす影響

摘要

本報告では，無線アドホックネットワークにおけるライブ音声·ビデオマルチキャスト通信を対象とし，マルチキャストグループ内の端末間の出力タイミングを調整する端末間同期の問題を検討する．ここでは，メディア同期品質を，アプリケーションレベルQoSの主要な要素と考える．集中制御型の端末間同期方式であるマスタ·スレーブ端末方式と同期マエストロ方式の二つについて，それらのアプリケーションレベルQoSを評価する．本報告では，これらの方式における制御の中心となるノードの位置が，アプリケーションレベルQoSに及ぼす影響を調べている．QoS評価は，ストリング型のネットワークトポロジーを用いたシミュレーションにより行う．シミュレーションでは，マルチキャストルーティングプロトコルとしてODMRP(On-Demand Multicast Routing Protocol)を用いて，1台のメディア発生源が6台のメディア出力先に音声·ビデオを転送する．