金属編地を用いた耐熱性複合材の特性評価

摘要

金属線を編成した編物（以下，金属編地）は耐熱性に優れ，伸縮性を有している。ただし編物は連続したループ形状によって構成されるため，耐屈曲性に劣る金属線は編成が困難である（図1）。そこで撚糸技術等により糸の形状を工夫することで金属編地を開発した。金属編地の用途として，高温下で大きな変位が連続的に加えられるポリテトラフルオロエチレン（以下，PTFE）製ダイアフラムへの利用について，(株)永島パッキング製作所との共同研究によって検討した。PTFEは高温下において破裂強度が小さく，弾性域内であっても連続使用によって永久ひずみが生じるため，現状は使い捨てで使用されている（図2）。そこで本研究では金属編地を基材としたPTFEとの複合材料の開発に取り組んだ。