OFDMを用いるEvolved UTRA下りリンクにおけるページングチャネルのSoft-combiningを用いた高品質同期伝送法

摘要

本稿では，OFDM無線アクセスを用いるEvolved UTRA下りリンクにおいて，ページングチャネル(PCH: Paging Channel)およびページングインディケータ(PI: Paging Indicator)に対して，同一基地局内のセクタ間で，遅延ダイバーシチとソフト合成(Soft-combining)受信を用いた高品質同期伝送法を提案する．提案の同期伝送法では，同一基地局内の隣接するセクタのPCH信号をSoft-combining受信することにより，セクタ間干渉を受けることなく希望波受信信号電力対干渉および雑音電力比(SINR: Signal-to-Interference plus Noise power Ratio)を向上することができる．計算機シミュレーションにより，基地局間距離が500および1732mの3セクタ構成の19セルモデルにおいて，セクタ共通パイロットを用いたSoft-combining受信は，PCHの所要の平均パケット誤り率が10{sup}(-2)以下となる劣化率(Outage probability)が5％以下を満たすのに必要な1ビットあたりの無線リソース数くチャネル符号化後の変調シンボル数）を，従来のSoft-combining受信を用いない場合に比較して，約10-20％低減できることを示す．さらに，6セクタ構成では，Soft-combining受信は，用いない場合に比較して，必要な無線リソース数を約30％低減できることを示し．Soft-combining受信を用いた同一基地局内の同期伝送法がPCHのカバレッジ増大に有効であることを示す．