TEMセルにおける遮断周波数の境界スケーリング関数によるシミユレ一ンヨン

摘要

TEMセルの遮断周波数を求めることは興味深い問題であるが，測定によって得られる値は不正確であるという意見もあり，有限要素法による数値計算が行われている。 有限要素法では基底としてテント関数を用いるが，本論文では区間に適合させたスケーリング関数を用いる方法を提案する．スケーリング関数は微分可能なので解の近似に適し，直交性をもちツースケール関係を満たすので計算が容易である．筆者らは更に基底変換行列を用いて計算を高速化している。 また境界条件等をペナルティ法で処理する本手法は境界条件や内部導体の幅の変化に柔軟に対応できる．この柔軟性は遮断周波数のモードを特定するときなどの，シミュレーションを重ねて行わなければならない際に大変有用である。また本手法はTEMセルのみならず，いくつかの方形に分割できる任意の領域上の強だ円型作用素の固有値問題に使えるので，他の機器に関する研究への応用も可能である．