マイクロ波ドップラーセンサを用いた非接触生体認証

摘要

本論文ではマイクロ波ドップラーセンサを用いて非接触で心臓の拍動を計測し，特徴量として用いる生体認証技術を提案する．提案手法では非接触で心筋や血管の個人差に起因する心拍情報を計測して認証できる．マイクロ波ドップラーセンサは拍動に起因する体表面の微小な振動をドップラー効果で捉えるため，体動等のノイズに弱いという問題がある．そこで本研究では自己回帰モデルを用いた時間周波数解析を導入し，ノイズの影響を軽減し，特徴量を強調する．時間周波数解析の結果を用いてIDを生成するアルゴリズムを開発し，生体認証を実現する．11人の被験者による実測を行い，195の精度で個人を識別できた．また，認証に用いる場合のFARは，提案手法によってSNRの低い波形を除外した状況で7.3であった．