FMCWレーダ用目標諸元測定方式

摘要

FMCW（Frequency Modulated Continuous Wave）レーダにより測定対象の距離と速度（以下，目標諸元と呼ぶ）を得る場合，例えば，アップチャープとダウンチャづのような周波数変調率が異なる複数の送信信号を用いて，各送信信号ごとに受信信号とのビート周波数を測射る必要がある.このため，複数の送信信号にわたって同一目標からの反射信号が受信されない場合には目標諸元の測納采が得られない．そこで，FMCWレーダにおいて，ビート周波数を入力とする目標追尾フィルタを通用して，単独送信信号による観測で得られたビート周波数だけで目標諸元を測射ることが可能な方式を提案する。 本論文では，この測定方式の測定原理と，計算機シミュレーションによる基本性能評価結果を示す。 ビート周波数出現確率が0.9の場合，従来方式と比べて提案方式では，測加果出力確率が0.78から0.99に改善され，測距誤差が90％以下，測適度誤差が43％以下に低減されることを明らかにした．