癌の治療－消化管癌の化学療法と遺伝子解析を中心に

摘要

消化管癌の中でも胃癌，大腸癌は，造血器腫瘍，睾丸腫瘍，乳癌，卵巣癌，頭頸部癌などに比べると化学療法の奏効率が低く，治療の第一選択となることは少ない．一方，食道扁平上皮癌は比較的化学療法感受性が高く，放射線治療と組み合わせることにより，手術補助療法として，あるいは根治療法として用いられている．食道腺癌に対しても，胃癌，大腸癌と同様に化学療法が治療の第一選択となることはないが，詳細な検討·報告は少ない．