幾つかの多次多変数暗号に対する攻撃法について－K（AVII）MVPKCへの攻撃

摘要

著者のうちの一人，笠原は公開鍵暗号に応用することを目標にして疑似ランダム連立方程式を組織的に構成する手法を提案してきている［1］～［3］．著者のうちの他の一人，境によってこれらの疑似ランダム連立方程式はGrobner basis攻撃によって容易に解読されることが示された．構成法，解読法とも将来の多次多変数公開鍵暗号（MVPKC）の研究に貢献することが期待される．本稿では笠原によって提案された撹乱ベクトルと定数ベクトルを導入するという斬新な疑似ランダム連立方程式の構成法を示すとともに，境によって考案された注目すべき攻撃法を明らかにする．