新潟市における貯留浸透の取組み:にいがた水無月プラン

摘要

本市は大河信濃川と阿賀野川が日本海と出逢う水辺のまちである．「みなとまち」として古くから栄え，高速道路や新幹線，空港，港湾を活かした「環日本海交流」の中枢拠点都市として現在も発展を続けている．しかしながら，河口部に拓けた「水の都」ならではの宿命とも言えるが，海抜0m以下の低平地が市域の4割も占めており，雨水排水のほとんどをポンプ場による強制排除によって都市が成り立っている．加えて近年の異常気象傾向による短時間で局地的な集中豪雨や，急速に発展した都市化に伴う遊水#12539;浸透機能が著しく低下したことなどから，都市型浸水被害が頻発するようになった．とりわけ平成10年8月4日には，時間最大降雨97mmという新潟地方気象台観測史上未曾有の集中豪雨に見舞われ，床上#12539;床下浸水被害戸数約1万戸に及ぶ甚大な浸水被害を受けた．