GIS内部の部分放電による電磁波検出用の広帯域プローブ

摘要

電力系統に用いられるガス絶縁開閉機器(GIS)内部の部分放電を検出するための外部アンテナとして,これまで同軸導波管変換器をGISに合わせた寸法で伝送線路素子の観点から設計してきた.しかし,部分放電のスペクトルが低周波領域から3GHzを超える帯域にまで達しているのに対して,設計した同軸導波管変換器の使用可能周波数範囲は1.4GHzから2.7GHz程度であった.そこで今回,より広い帯域の信号を受信するために,広帯域アンテナとして知られるボウタイアンテナを導波管内のプローブとして採用し,FDTD法(Finite Difference Time Domain Method :有限差分時間領域法)を用いて設計した.実際に作成して特性を測定した結果,ボウタイプローブを採用したアンテナはより広い帯域の信号を受信する可能性があることがわかった.