複数プロセッサを用いた通信効率の良い行列ベクトル積演算の自動一般化手法

摘要

近年、特にニューラルネットワークの計算を行う際などで、複数の要素プロセッサ（Processing Element，PE）を用いた並列計算を実行する機会が増えてきている。そのような環境下でプログラムを実行するためには、PEの数に合わせて問題を適切に分割する必要があるが、特に通信のオーバーヘッドを考慮してより良い方法でそれを実装しようとすると、その分割は必ずしも簡単なことではない。先行研究では、いくつかの例題に対して実際に効率の良い分割手法を提案しているが、それらの手法は扱うことができる例題の大きさやPE数に限りがあり、より大きい問題を扱うことはできない。そこで本研究では、それらの先行研究で提案された分割手法を用いてその一般化を行うことで、任意の大きさの問題を扱うことができる解を得るための手法を提案した。また、実際の例題を通して具体的に一般解を求めることで、その有用性を確認した。