人体通信における非接触型送信電極の一検討

摘要

人体を伝送路とする人体通信は主に数十MHz以下の周波数を利用し，小型電極を用いて信号の送受信を行う．この場合，電極の入力インピーダンスマッチングを取るのが困難であり，一般に電極を人体に密着させることが必要である．本研究では，送信電極がポケットなどに入れたとき人体と数センチメートル離れることを想定し，非接触時でも良好なS_(11)特性を有する導電性シート装着の電極構成を提案する．また，計算機シミュレーションと実験により，その妥当性を検証確認する．さらに，電圧伝達関数に注目すると，S_(11)の改善だけで不十分であり，S_(11)とS_(21)の連携設計による電圧伝達関数の最適化が不可欠であることを示す．