水源流域等に生息する小型動物の原虫感染調査

摘要

横浜市水道局の水源地域や浄水場周辺などを生息環境としている小型動物から，水域への原虫汚染の可能性を探る目的で調査を実施した。 調査対象動物は，水源流域や浄水場周辺を生活環境としている野ネズミ等，河川敷に持ち込まれた飼育犬，施設に保護された野犬，水源湖沼や沈殿池に飛来する水鳥類，小型鳥類とした。 当該動物の捕獲（ネズミ，小型鳥類）や，ふんの採取 ㄈB類）を実施し，原虫感染状況を調査した。 原虫類のうちクリプトスポリジウム（Cryptosporidium parvum）感染が確認された小型動物は，水源流域に生息する野ネズミ等であった。感染率は33％（平成10年5月），17％（平成12年8月）であった。 ジアルジア感染が確認された小型動物は，水源流域に生息する野ネズミ等および野犬であった。野ネズミ等のジアルジア感染（Giardia sp．）率は44％（平成10年5月），17％（平成12年8月），野犬のジアルジア感染（Giardia lamblia）率は14％（平成13年2月）であった。