UWB通信帯域における広帯域生体等価固体ファントムの有効性評価

摘要

UWB技術を用いた通信は人体近傍において行われることが想定されるため，人体がアンテナ特性や伝送特性に与える影響を定量的に評価することが重要である．筆者らはこれまでに，人体近傍における高周波電磁界の評価を行うことを目的に，UWB通信で使用される周波数の全域（3～10 GHz）において，単一の組成比で± 10％以内の差異で目標とする人体の電気定数を実現することができる広帯域生体等価固体ファントムを開発した．そこで本論文では，PDAに実装可能なUWB通信用アンテナの製作を行い，上記ファントムを用いてアンテナ特性の実験的評価を行った．その結果，3～10 GHzの広帯域において，UWB通信用アンテナの諸特性の計算と測定結果は良好に一致し，本ファントムが実際に広帯域特性をもつ通信端末の性能評価に適用可能であることが分かった．