オーステナイト系ステンレス鋼SUS310S溶接金属の微細粒組織形成とワイヤ送給条件－ホットワイヤTIG溶接法による溶接金属組織の微細化技術の開発

摘要

前報までに，ホットワイヤTIG溶接による微細粒組織の形成はアーク電流，溶接速度，ワイヤ電流，ワイヤ送給速度に大きく依存することを明らかにした．さらに，本溶接法により形成される微細粒組織は，加熱されるワイヤが局部溶融し，半溶融状態で溶融池に挿入され形成されることも明らかにした．そこで，本報告では，前報で明らかにした微細粒組織形成メカニズムに基づき，さらなる微細粒組織形成領域の拡大を図ることを目的としてワイヤ送給位置，通電距離を変化させた．ワイヤ送給位置および通電距離が断面微細化率に与える影響について調査するとともにホットワイヤプロセスによる微細粒組織形成方法について考察した．