二次性白血病―治療関連白血病を中心として

摘要

近年，化学療法や放射線療法により，悪性腫瘍に対する治療成績の改善が得られるようになり，長期生存症例や治癒症例が年々増加してきた．それに伴い，晩期合併症としての白血病の発症が関心を集めている．この合併症が最初に報告されたのは1960年代であるが，当時は癌を治療するための薬剤で新たな癌が誘発されるという事実はなかなか受け入れられず，原疾患の終末像としての認識が一般的であったようである．二次性白血病という用語は本来，①環境や職業よの化学物質への曝露が要因となるもの，②化学療法や放射線療法などが要因となる治療に関連したもの，③先行する骨髄異形成症候群（MDS）かち進展したものの，3つのタイプの白血病を総称しており，白血病全体の10～30％を占めるとされる．本稿では②の治療に関連したものは「治療関連白血病」という用語を用いることとし，これについて述べる．