核燃料サイクルの多国間管理構想図式－第2回IAEA専門家会合に出席して

摘要

『原子力eye』2004年11月号に表題の小文（第1回会合）を寄稿したが，今回はそれに続く第2回会合の報告である。なお，この会合はあと2回，合計4回開かれ，結果が2005年3月の国際原子力機関（IAEA）理事会に報告される予定である。第2回専門家会合は去る2004年10月25日から29日までウィーンのIAEA本部で開催され，22カ国から専門家が「個人の資格」で参加（私もその1人）した。 今回から，第1回を欠席した中国からも出席を得た。 他方，英国は前回に続いて今回も欠席したのが目立ったが，これは一体どういうことを意味するのだろうか。 いずれにせよ，この会合の帰趨は，事と次第によってはわが国の核燃料サイクル路線に与える影響が少なくないので，日本としては目下，厳しい試練の下にある世界の核不拡散体制の強化とわが国独自の核燃料サイクルの追求という，いわば二兎を同時に追う立場をとることが必要だ。