鉄道における電力貯蔵装置の変遷と最近の動向

摘要

電気エネルギーは制御性が高く，いろいろな用途に向き，クリーンな性質であるため，ますますその使途を広げています。また，電気エネルギーは生産即消費という性質を有しているため，安定供給されるには，最大需要電力に対して十分な供給力を有する設備が必要となっています。 電気鉄道においても，ラッシュ時におけるピーク電力が大きいため，平均負荷率（電力設備容量に対する負荷電力の割合）が低く，電力コスト増の要因となっています。 このため，負荷平準化のための電力貯蔵装置の適用は，電化の初期の頃から行われてきました。 近年では回生エネルギーの有効利用対策，架線電圧補償対策における電力貯蔵の必要性が高まりつつあります。