無線加速度センサを用いた運転者行動計測に基づく模範運転動作からの逸脱検出

摘要

筆者らは，運転者の車内での振る舞いを身体各部に装着した無線加速度センサで計測する手法を提案している．ただし，加速度センサの性質上，その出力には自動車自体の運動に伴う加速度が重畳されてしまう．そこで本稿では，まず独立成分分析を用いて計測データから自動車の運動成分を除去した後に，1クラスSVMを用いて模範的な運転からの逸脱を検出する手法を提案する．筆者らは自動車教習所内のコースを用いた実験を実施し，ベテラン指導員7名の模範運転とペーパードライバー3名の運転中の手足の動きを各々計測した．計測したデータを提案手法で解析した結果，提案手法は模範運転の範疇から逸脱した初心者特有の運転動作を適合率85.7％，再現率65.1％の精度で検出できることを確認した．