複数要求を考慮に入れた高効率フラッディング制御

摘要

メッセージをネットワーク内に大量に複製·伝搬させることにより，必要な情報の通知·取得や経路の発見などの目的を達成する手法にフラッディング制御がある．フラッディング制御には，ロバスト性や解の最適任といった長所があるが，メッセージの氾濫に起因して，処理が完了するまでの時間の増大，輻輳の誘発などの問題が起こる．これらの問題を解決するため，筆者らはカビや細胞などの生物の増殖過程形態を参考にした効率的なフラッディング制御を提案しているが，ネットワーク負荷が増大した環境では処理が完了するまでの時間が増大するという問題があることがわかった．そこで本稿では，このフラッディング制御機構を拡張し，高負荷時においても効率的なフラッディング制御機構として，優先度制御および重複した情報を持つメッセージの集約機構を備えたフラッディング制御機構を提案する．