摂動法を用いたアクティブノイズコントロール－マルチチャネルシステムでの実検証2

摘要

本稿では,摂動法を用いたマルチチャネルアクティブノイズコントロール（ANC）システムの消音効果を実システムで検証する。 マルチチャネル摂動法とFiltered-x LMS法をマルチチャネルシステムへ拡張したMEFXLMS法を比較した場合,マルチチャネル摂動法は2次経路を推定した2次経路モデルを必要としない利点がある。 そのため,摂動法を用いたマルチチャネルANCシステムはモデル化誤差が原因でシステムが不安定となる問題がなく,2次経路の変動に対して安定な動作が可能となる。そこで本稿では,マルチチャネルANCシステムにマルチチャネル摂動法とMEFXLMS法を適用した場合,それぞれのアルゴリズムにおける演算量の比較を行う。 その結果,マルチチャネル摂動法はMEFXLMS法と比べて騒音制御フィルタのタップ長を伸長することが可能となる。 そのため,残響を含む環境において効果的に消音可能であることを示す。