GPUを用いてコーンビームCTのボリューム再構成を高速化する手法

摘要

コーンビームCT (Computed Tomography)におけるボリュームの再構成とは，複数枚の2次元投影データを入力として3次元ボリュームを構築する処理である．ボリュームにおける1辺のサイズ（ボクセル数）をNとして，この処理の計算量はO(N{sup}3)である．したがって，高精細なボリュームに対して計算量が多く，計算時間の短縮が課題である．本稿ではGPU (Graphics Processing Unit)を用いた逆投影法の高速化を報告する．提案手法は，ボリュームを構成するスライスごとに処理を分割し，GPUを並列演算器とみなして各スライス上のボクセルを並列処理する．その結果，N＝512において，拡張命令SSEにより最適化されたCPU実装がおよそ75秒を要するのに対し，最新のGPU上で動作する提案手法はおよそ17秒で実行できた．