原子スイッチの現状と将来－新しいエレクトロニクスの創成を目指して

摘要

金属原子／イオンの拡散とその酸化·還元反応を制御して動作する原子スイッチは、最小加工寸法11 nmを超える微細化にも対応可能であると期待されている。金属原子／イオンで伝導経路を形成する原子スイッチには、高いオンオフ比や低消費電力動作、不揮発性などの特徴がある。2端子型素子では、2値化スイッチとしての動作に加えて、シナプス動作やメムリスター動作、光検出動作などが可能である。3端子型素子では、揮発性と不揮発性の選択動作が可能であることも確認されている。これらの新しい機能は、非ノイマン型コンピュータなどの新しい電子情報機器の開発に貢献するものと期待される。