マイクロバブルと活性炭による有機物の効率的な除去に関する検討

摘要

近年，水質浄化技術として気泡径が50μm以下のマイクロバブル（MB：Micro-Bubble）を利用する方法が関心を集めている。 マイクロバブルは，通常の曝気法に比べて，気体の溶解効率が高いことや帯電作用，物理的吸着効果などの特徴を有する。本研究では，低濃度有機物を含む下水二次処理水にマイクロバブル処理を適用し，その水質浄化特性について検討した。 マイクロバブル処理を行なった処理水に対して活性炭処理を行ない，活性炭処理の効率を高めることを試みた。 マイクロバブル処理により処理水のTOC濃度は低下した。マイクロバブルの物理吸着により分離可能な有機物の大きさには下限があることがわかった。 マイクロバブル処理を行なうことにより，活性炭処理の除去率，活性炭吸着量の向上が可能である。 活性炭に付着する浮遊物質または活性炭の細孔を閉塞する大きな有機物を分離することによって活性炭内部細孔を有効に利用できたためだと考えられる。また，溶液を酸性にすると活性炭吸着量を増加させることが可能である。