利用率をベースにしたリアルタイムスケジューリングアルゴリズムの提案

摘要

近年，組み込みリアルタイムシステムはシステムの大規模化，複雑化に伴いマルチプロセッサ技術の利用が一般的になりつつある．その為にマルチプロセッサ技術による処理能力の向上が主流となっており，マルチプロセッサ環境においてリアルタイム性を保証することが重要となっている．このような背景から，マルチプロセッサ環境において最適なリアルタイムスケジュールアルゴリズムがすでにいくつか提案されているが，コンテキストスイッチなどのオーバーヘッドにより実用性の面で問題が残る．単一プロセッサ環境で最適とされているRM （Rate Monotonic）等はオーバーヘッドは小さいが，スケジュール成功率が低い．本論文では従来スケジュールアルゴリズムに着目し，そのアルゴリズムと問題点を整理する．次に利用率を基にしたスケジュールアルゴリズムを提案し，シミュレーション評価により提案アルゴリズムの有効性を明らかにする．