離散コサイン変換に基づく定数時間ガウシアンフィルタの包括的性能解析

摘要

近似精度と計算量の両面で高性能な離散コサイン変換（Discrete Cosine Transform；DCT）に基づく定数時間ガウシアンフィルタでは，ガウシアンを少数のコサイン項で近似し，各コサイン項を効率よく畳み込む，という基本構造を有する．このコサイン近似の際には全8種あるDCTのうちいずれかが用いられるが，それら全体を包括的する定量的な性能評価はないため，どの種のDCTが最も優れるのか解明されていない．本稿では，DCT全種を包括的に議論しそれらの相違点を明確にする．またモーメントを維持する制約のもとで二乗誤差を採用化する枠組みについても導出する．