高効率急速沪過池の沪層選定と操作に関する実験

摘要

2000年に「水道施設の技術的基準を定める省令（施設基準）」が施行され、合理的な判断に基づき、設計操作を選択することができるようになった。 そこで既設の浄水施設を改築する際に高度浄水の導入に相応するために施設面積の縮小、運転費用の低減などを図るために、高分子凝集剤の使用方法を検討した。 さらに沪過池を新設するときの多層沪過池の沪層厚及び沪層厚比について検討した。 また、これ迄の設計に関する急速沪過池の沪層厚さにおける多層沪過池の沪材粒径及び沪層比、ガーネット沪層の有無、多層沪過における沪層混合の是非について実験を行った。 この結果、①ノニオン高分子凝集剤を注入することによって、初期漏出期の沪水濁度を抑制することが認められた。 ②沪層厚を厚くすることは沪過池の効率の向上に寄与するがその上限はL/D＝1000程度と考えられる。 ③沪層厚比はアンスラサイト：砂＝1：1のものが一番効果的であった。④ガーネット沪層を充填しなくても、充填したものに匹敵する程度の沪水が得られる。⑤複層沪過における比重の違いによる沪層境界部分の混合などで間隙率が変化した場合、沪水濁度、沪水微粒子数及び損失水頭の面において、一定の沪過時間経過後、沪過効率が低下するという結果が得られた。