IMT-2000CDMA TDD方式における端末受信方式の検討

摘要

本論文では，ITU-RでIMT-2000として標準化された五つの陸上移動通信方式のうちIMT-2000 CDMA TDDについてその成立までの流れと無線インタフェースの特徴，現在の標準化状況について説明する．そして，IMT-2000CDMA TDDの必須な受信方式である干渉除去受信技術（Joint Detection）について商用機実現のために検討すべき項目について考察し，その有効性を試作装置により検証し，次に下り回線の高速パケット伝送を可能とする無線アクセス方式としてHSDPA（High Speed Downlink Packet Access）への拡張を検討する．Joint Detectionはマルチユーザ型の干渉除去受信方式でマルチパスにより生じた拡散符号間の干渉を除去する受信方式であるが，下り回線の全ユーザ分の信号を干渉除去受信するためには演算量が膨大になる．RAKE合成の受信窓と干渉除去の受信窓と異なる窓幅を採用するなど3GPPの要求条件を満足しつつ演算量を削減する方法を検討する．